2017年1月25日水曜日

詩篇109篇

「詩篇109篇」は、見事なまでに敵を憎む言葉が網羅されている詩篇です。
私は「詩篇109篇」を読んでいて、私の心の内をいつも思い知らされます。

信仰者とは名ばかり。
実は、心の内はこの詩篇作者と寸分違わないような思いが支配していることを正直に告白します。

ふりほどいても、ふりほどいても、この詩篇の前半のような感情が心の奥底から湧き上がってきます。

ペトロがイエスのところに来て
「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか。」
と質問したとき、イエスは
「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい。」
と語られたことが書かれています。(マタイ18章21節~22節)

赦すことほど人間にとって難しいことはありません。
口でいくら赦すと言っても、それは制御できる理性上のことだけで、制御できない感情の奥底では全く赦していないのです。

その証拠に、思い出したくないほど傷つけられたような体験は、死ぬまで泡ぶくのように、突然に思いの中に湧き上がってきます。

この詩篇の作者はその事を深く理解した上で、この詩を書いたのだと思います。

私は、内なる感情を押しとどめて、かえって自分を深く傷つけるだけなら、このように神に呼ばわることは、神御自身も深く理解して下さることなのだと信じます。

何故なら、この詩篇は、その憎しみの前半も、21節以降の救いの確信を伴う後半部の祈りも、自分が主体的に行動を起こす(呪うとか、神に自分の好都合を要求するとかという)ということではなく、

愛しても愛しても自分に悪を返してくる相手にも、またその受ける仕打ちの理不尽さにも、すべて、神への深い信頼に拠って立っているという事実である。

相手に対することも自分に対することも、自分ではなくすべて神が成されることとして捉えているのです。相手に対する呪いの言葉の羅列は、この作者の言葉ではなく、神の回答の代弁と捉えていいと思います。

使徒パウロが、ローマ書に書いているとおりです

愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。「『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』と主は言われる」(ローマ書 12章19節)

私たちのなすべきことは、この詩篇の作者のように、人にではなく神に訴え、神に祈って、神の義を確信し、自分の内に平和を確立することだけです。

できれば、せめてあなたがたは、すべての人と平和に暮らしなさい。(ローマ書 12章18節)

相手と完全に和解しなさいということではなく、自分の内にだけは、神にある平和を確立しなさいと言うことでしょう。
そして私たちは、それでもなお

だれに対しても悪に悪を返さず、すべての人の前で善を行うように心がけなさい。

「あなたの敵が飢えていたら食べさせ、渇いていたら飲ませよ。そうすれば、燃える炭火を彼の頭に積むことになる。」

 悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい。(ローマ書 12章17節~21節)

とのみことばの光を見つめて、今日も一歩前へと足を踏み出そうではありませんか。

弱った手に力を込め、よろめく膝を強くせよ(イザヤ書 35章3節)
だから、萎えた手と弱くなったひざをまっすぐにしなさい(ヘブル人への手紙 12章12節)
信頼への醸成
※ 以下「詩篇109篇」全文をご紹介します。

109:01 【指揮者によって。ダビデの詩。賛歌。】
     わたしの賛美する神よ
     どうか、黙していないでください。

109:02 神に逆らう者の口が
     欺いて語る口が、わたしに向かって開き
     偽りを言う舌がわたしに語りかけます。

109:03 憎しみの言葉はわたしを取り囲み
     理由もなく戦いを挑んで来ます。

109:04 愛しても敵意を返し
     わたしが祈りをささげても

109:05 その善意に対して悪意を返します。愛しても、憎みます。

109:06 彼に対して逆らう者を置き
     彼の右には敵対者を立たせてください。

109:07 裁かれて、神に逆らう者とされますように。祈っても、罪に定められますように。

109:08 彼の生涯は短くされ
     地位は他人に取り上げられ

109:09 子らはみなしごとなり
     妻はやもめとなるがよい。

109:10 子らは放浪して物乞いをするがよい。廃虚となったその家を離れ/助けを求め歩くがよい。

109:11 彼のものは一切、債権者に奪われ
     働きの実りは他国人に略奪されるように。

109:12 慈しみを示し続ける者もいなくなり
     みなしごとなった彼の子らを
     憐れむ者もなくなるように。

109:13 子孫は断たれ
     次の代には彼らの名も消されるように。

109:14 主が彼の父祖の悪をお忘れにならぬように。母の罪も消されることのないように。

109:15 その悪と罪は常に主の御前にとどめられ
     その名は地上から断たれるように。

109:16 彼は慈しみの業を行うことに心を留めず
     貧しく乏しい人々
     心の挫けた人々を死に追いやった。

109:17 彼は呪うことを好んだのだから
     呪いは彼自身に返るように。祝福することを望まなかったのだから
     祝福は彼を遠ざかるように。

109:18 呪いを衣として身にまとうがよい。呪いが水のように彼のはらわたに
     油のように彼の骨に染み通るように。

109:19 呪いが彼のまとう衣となり
     常に締める帯となるように。

109:20 わたしに敵意を抱く者に対して
     わたしの魂をさいなもうと語る者に対して
     主はこのように報いられる。

109:21 主よ、わたしの神よ
     御名のために、わたしに計らい
     恵み深く、慈しみによって
     わたしを助けてください。

109:22 わたしは貧しく乏しいのです。胸の奥で心は貫かれています。

109:23 移ろい行く影のようにわたしは去ります。いなごのように払い落とされます。

109:24 断食して膝は弱くなり
     からだは脂肪を失い、衰えて行きます。

109:25 わたしは人間の恥。彼らはわたしを見て頭を振ります。

109:26 わたしの神、主よ、わたしを助けてください。慈しみによってお救いください。

109:27 それが御手によることを、御計らいであることを
     主よ、人々は知るでしょう。

109:28 彼らは呪いますが
     あなたは祝福してくださいます。彼らは反逆し、恥に落とされますが
     あなたの僕は喜び祝います。

109:29 わたしに敵意を抱く者は辱めを衣とし
     恥を上着としてまとうでしょう。

109:30 わたしはこの口をもって
     主に尽きぬ感謝をささげ
     多くの人の中で主を賛美します。

109:31 主は乏しい人の右に立ち
     死に定める裁きから救ってくださいます。

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